大阪のマンション・大規模修繕・ベランダ防水工事
お役立ちコラム
更新日: 2025.01.29 公開日:2024.03.13
マンションの大規模修繕は、建物の寿命を延ばすために必要な工事です。費用は築年数や規模によりますが、1戸あたり数百万円〜数千万円が一般的です。
ですが費用だけでなく、「実際にどんな工事内容があるのか?」「どれくらいの期間がかかるのか?」等の多くの疑問があるのではないでしょうか。この記事ではマンションの大規模修繕に関する基礎知識から、費用を抑える具体的な対策方法、スムーズな工事進行のためのポイントまで、分かりやすく徹底解説していきます。
・マンションの大規模修繕を控えている方
・修繕委員会や管理組合の関係者
・マンションにお住まいの方
目次
建物は経年劣化によって外壁のひび割れ、屋根や屋上からの漏水、配管の老朽化などが発生します。これらの問題を放置すると、建物の構造に影響を与え、安全性を損なう可能性があります。
まるで人間が定期的に健康診断を受けるように、建物も定期的なメンテナンスが必要なのです。大規模修繕工事は単なる見た目だけの改修ではなく、建物全体の安全性を確保し、快適な住環境を守るための重要な役割を担っています。
マンションの大規模修繕工事では、築年数や構造、立地条件によって内容は異なりますが、一般的に以下の工事が行われます。
下地工事とは、下地補修とも言われており建物の修繕工事(塗装・防水など)の施工をする前に塗面を補修する工事のことです。主に外壁のひび割れやタイル、コンクリートの剥がれ・欠損などを補修していきます。工事完了後の仕上がりが良く見えても、この下地工事がしっかりと行われていないと再び、ひび割れや剥がれ・欠損が早期に現れてきてしまいます。そのため下地工事は、建物の寿命を左右する最も重要といえる工事の工程の一つとなります。
外壁工事は建物の外観を美しく保ち、資産価値を高めるための重要な工事です。外壁塗装のほか、タイルや建材シートによる張替えなど、様々な施工方法があります。専門の技術を有した職人が意匠性塗装や石材調仕上げなど、お客様のご要望に合わせた施工を行うことで建物を美しく生まれ変わらせます。
防水工事とは、漏水を防ぐことを目的とする工事のことです。建物の屋上、陸屋根、ベランダやバルコニーなどの床面から足元の立上りの部分までが主な施工箇所になります。新築時に防水工事を行っていたとしても経年劣化により建物の耐久性が低下していきます。さらに劣化を放置してしまうと雨漏りが発生してしまい、建物全体の寿命を縮めることに。その為、防水工事はビルやマンション、工場といったありとあらゆる建物にとって重要といえる工事です。定期的に点検とメンテナンスをして、漏水を予防していくことが大切です。
雨漏り工事は、防水工事と違い既に雨漏りが発生している箇所を直す工事になります。建物は約10年周期でメンテナンスを行うことが推奨されていますが、台風や集中豪雨などの自然災害が起きると雨漏り被害が特に発生しやすくなります。そのため新築であっても雨漏り被害を完全に防げるとはいえません。雨漏りを放置すると建物の木部の腐食、金属のサビなど全体の腐食が進んでしまいます。建物を守り、少しでも費用を抑えるためには、雨漏りの原因を追究し根本から直すことが大切です。
屋根・屋上工事は、瓦・スレート・金属薄板などによる屋根の工事のことで建物全体を長持ちさせるために必要な工事です。日々、紫外線や雨風に侵されている屋根・屋上は天候の影響を一番受けるため、他の箇所と比べても劣化速度は速いです。そのまま放置していると雨漏りや害虫の発生、漏電などの様々なトラブルの原因となります。建物の美観と価値を維持して、入居者様の安全な生活を守るには、定期的なメンテナンスをして早期に屋根・屋上工事を施す必要があります。
板金工事とは、金属薄板などを加工して工作物に取り付けたり、工作物に金属製などの付属物を取り付けたりする工事のことです。 例えば、外壁にカラー鉄板や厨房の天井にステンレス板など張り付けたりする板金を使用した工事を担います。 金属に関して豊富な知識と技術が必要になるため、必ず建設業許可を取得している専門の業者が行わないといけません。屋根工事と合わせて建物を長持ちさせるために重要な工事といえます。
マンションの大規模修繕は、建物の劣化状況や築年数などを考慮して、計画的に行う必要があります。一般的には築12年~15年を目安に、初回の大規模修繕が行われることが多いです。その後は5年~10年ごとに、修繕の必要性に応じて大規模修繕を実施するケースが多いです。
築年数 | 主な工事内容 | 1戸あたりの費用目安 |
---|---|---|
築12年~15年 | 外壁塗装、防水工事など | 数百万円 |
築20年~25年 | 屋上防水、給排水管更新、内装改修など | 数千万円 |
築30年~35年 | 共用設備更新、大規模な内装改修など | 数千万円~数億円 |
ただしこれはあくまで目安であり、マンションの構造や立地条件、使用状況などによって時期は前後します。また修繕の必要性が発生した場合には、築年数に関わらず早急に大規模修繕を行う必要があります。
日常的に雨風や紫外線にさらされる建物は、外壁・屋根や屋上を中心に劣化が進みやすいです。以下の4つのポイントはセルフチェックが可能なので、定期的に確認すると良いでしょう。
雨漏りは、チェック事項の中でも特に緊急度が高い項目です。
大規模修繕工事にかかる費用は、マンションの規模や築年数、工事内容によって大きく異なります。もちろん同じ規模のマンションでも、使用する素材や工法によって費用は変動しますが、以下の目安が一般的とされています。
マンションの規模 | 築年数 | 1戸あたりの価格 |
規模が小さい | 浅い | 数百万円 |
規模が大きい | 古い | 数千万円 |
例えば、100戸のマンションで、100㎡あたりの修繕費用が150万円だとすると、総額は約15億円になります。このように、大規模修繕にかかる費用は非常に高額となる場合も多いです。具体的な費用については、管理組合が専門業者に調査を依頼し、見積もりを取ることになります。見積もりには、修繕内容の詳細や使用する素材、工期などが明記されます。管理組合は、これらの情報をもとに、修繕計画を策定し、住民への説明を行います。
マンションの大規模修繕費用の内訳は、大きく分けて、工事費、設計費、諸経費の3つに分けられます。
マンションの大規模修繕費用に影響する要素はたくさんありますが、主な要素としては以下のものが挙げられます。
大規模修繕工事の資金計画は、工事の規模や内容、時期などを考慮して、以下のような手順で進める必要があります。
まずは複数の業者から見積もりを取得し、工事の内容と費用を把握します。見積もり内容には、工事費だけでなく、設計費、監理費、諸経費なども含まれるため、詳細に確認しましょう。また見積もりを比較検討することで、費用の妥当性を確認することができます。
大規模修繕工事の費用をどのように調達するか、いくつかの方法を検討する必要があります。主な方法としては、以下のものがあります。
大規模修繕工事の資金計画には、いくつかの注意点があります。以下に、重要なポイントをまとめます。
これらの要素を考慮し、事前にしっかりと計画を立て、費用を把握することが重要です。
マンションの大規模修繕工事は高額な費用がかかるため、少しでも費用を安く抑えたいと考える方は多いでしょう。しかし安易に費用を抑えようとすると、工事の品質が低下したり、将来的な修繕費用がさらに高額になったりする可能性も考えられます。そこで本項では、マンションの大規模修繕工事にかかる費用を安く抑えるための方法をいくつかご紹介します。
建物の劣化は放置すればするほど深刻化し、修繕費用も高額になる傾向があります。定期的な点検を行い、小さな劣化も早期に発見して修繕することが大切です。小さな傷や汚れを放置せず早期に修繕することで、大規模な改修が必要になるのを防ぎ、費用を抑えることができます。
大規模修繕費用の捻出が難しい場合は、優先順位を付けて工事内容を絞り込むことも有効です。建物の価値を損なわずに、予算を抑えた修繕が可能です。
こちらは実際に弊社が過去に施工したマンションです。築45年とかなり古く経年劣化による退色、防水層の劣化などが見受けられました。空室が目立ち始めている影響で「大規模修繕を実施するお金の余裕が無い」とお悩みを持たれておりました。
ライフラインに関わる外壁劣化部分の補修と防水層の修繕工事を実施し、入居率を高めるべく外壁塗装を行いました。その結果、施工後に物件の内見依頼が増加に成功。建物の安全性を確保するだけでなく、資産価値の向上にも成功しました。
同じ工事でも、使用する工法や材料によって費用は大きく変わります。例えば外壁の塗装工事でも、耐久性の高い塗料を使用すれば、塗り替えの回数を減らすことができ、長期的に費用を抑えることができます。工法や材料を慎重に検討し、費用対効果の高いものを選択することが重要です。
最低でも3社以上の業者から相見積もりを取って比較することで、適正な価格で施工できる業者を見つけることができます。相見積もりの際には価格だけでなく、業者の実績や技術力、アフターサービスなども考慮しましょう。また見積もり内容を詳細に検討して業者との価格交渉に臨むことで、費用を抑えることができます。
工事を行う際にかかる税金を抑える方法も有効策といえます。大規模修繕工事を行った場合、固定資産税が減額される制度があるだけでなく、工事内容によっては減価償却が可能なケースも存在します。税制は頻繁に改正されるため、最新の情報の把握が重要です。ただし税制は頻繁に改正されるため、税理士などの専門家への相談をおすすめいたします。
国や自治体では、マンションの大規模修繕工事に対して、補助金や助成金制度が設けられている場合があります。例えば以下のようなものがあります。
建物の耐震性を向上させるための改修工事に対して支給される補助金です。
詳細:建築物耐震対策緊急促進事業 交付申請マニュアル 国土交通省
高齢者や障がい者も安心して暮らせるよう、共用部のバリアフリー化工事に対して支給される補助金です。
詳細:バリアフリー関連補助金 国土交通省
建物の断熱性能を向上させ、エネルギー消費量を削減するための改修工事に対して支給される補助金です。
詳細:マンションの省エネ改修事例・支援制度 国土交通省
エレベーターの防災機能を強化するための改修工事に対して支給される補助金です。
詳細:エレベーターの防災対策改修事業(住宅・建築物安全ストック形成事業(交付金)) 国土交通省
最適な補助金を選ぶためには、建物の状況や住民のニーズ、自治体の補助金制度など
総合的に検討することが重要です。また補助金に関する手続きは条件を満たさないといけず複雑なため、行政機関などに相談することをおすすめします。
信頼できる業者を選ぶことは、費用面だけでなく、工事の品質や安全面にも大きく影響します。以下に、業者選びのポイントをまとめます。
見積もり内容をよく確認し、不明な点は業者に質問することが大切です。以下の項目について確認しましょう。
大規模修繕は、準備段階、施工段階、完了段階の大きく3つの段階に分かれます。一般的に、数ヶ月から半年かかる場合が多いです。
段階 | 内容 |
---|---|
準備段階 | 修繕計画の策定、業者選定、見積もり取得、住民への説明会など |
施工段階 | 足場設置、外壁塗装、屋根葺き替えなど |
完了段階 | 清掃、足場撤去、竣工検査など |
具体的なスケジュールは、マンションの規模、修繕内容、業者、天候などによって異なります。また、スケジュールは、事前に住民に説明され、同意を得ることが重要です。
大規模修繕の期間中は、住民は生活に支障をきたす場合もあります。例えば、騒音や振動、工事車両の通行などです。そのため、管理組合は、住民への説明を十分に行い、理解を得る必要があります。また、住民が安心して生活できるよう、工事中の生活環境に配慮する必要があります。
マンションの大規模修繕工事は、住民にとって大きな負担となる一方で、建物の寿命を延ばし、住環境の向上にも繋がる重要な取り組みです。スムーズな修繕を進めるためには、事前の準備、住民間での協力、そして管理組合の積極的な役割が不可欠です。ここでは、大規模修繕を円滑に進めるための具体的な方法を紹介します。
修繕計画や工程、費用など、住民にとって重要な情報は、分かりやすく丁寧に公開することが重要です。住民説明会などを開催し、積極的に質問を受け付けることで、疑問や不安を解消し、理解と納得を得ることができます。また、管理組合は、住民からの意見を積極的に聞き取り、議論を通じて合意形成を図りましょう。
大規模修繕は、住民全員で取り組むべき課題です。修繕計画への意見募集や、工事中の進捗状況の報告などを積極的に行い、住民が参加できる機会を設けましょう。また、ボランティア活動などを推進することで、住民間の連携を強化し、一体感を育むことができます。
修繕工事は、専門業者に依頼することになります。信頼できる業者を選定し、綿密な打ち合わせを行い、工事内容やスケジュール、費用などを明確にしましょう。また、工事中は、定期的に現場を視察し、工程管理や品質管理を徹底することで、トラブルを防止することができます。
近年では、マンション管理において、スマートフォンアプリやウェブサイトなどのコミュニケーションツールを活用することが増えています。これらのツールを活用することで、住民への情報伝達を迅速化し、意見交換や質問などをスムーズに行えます。
修繕委員会とは、マンションの大規模な修繕を進める組織のことを指し、地域やマンションによっては「修繕専門委員会」と呼んだりします。
組織のメンバーは主にマンションの居住者で構成され、マンション理事会による決議で設置されるのが基本です。
修繕計画の作成: 修繕箇所、工事内容、予算などを詳細に計画し、理事会への提出。
施工業者の選定: 複数の業者から見積もりを取り、最適な業者を選定。
住民とのコミュニケーション: 住民からの意見を聞き取り、工事の進捗状況を報告。
クレーム対応: 工事中のトラブルや住民からのクレームに対応。
住民目線での修繕: 住民が直接計画に関わるため、より満足度の高い修繕を実現できます。
スムーズな工事進行: 専門的な知識を持つメンバーがおり、円滑な工事進行に貢献できます。
透明性の高い運営: 住民への情報公開が徹底され、信頼関係が構築できます。
修繕委員会は、マンションの大規模修繕を成功させるために欠かせない存在と言えるでしょう。
大規模修繕では、費用が膨大になるケースも少なくありません。そのため、費用に関するトラブルは避けては通れません。特に、以下のような点に注意が必要です。
工事中は、騒音や振動、埃など、住民生活への影響が懸念されます。トラブルを防ぐために、以下の点を事前に確認しておきましょう。
大規模修繕では、住民間で意見が食い違う場合もあります。トラブルを回避するためには、以下の点に注意が必要です。
マンションの大規模修繕は、住民全員にとって大きな課題であり、同時に、マンションの価値を高める貴重な機会でもあります。住民と管理組合が協力し、積極的にコミュニケーションを取り合い、信頼関係を築くことで、スムーズな修繕を実現し、より快適な住環境を創造することができます。
この記事が、皆様のマンションの大規模修繕に関する理解を深める一助となれば幸いです。
トゥインクルワールドはマンションの大規模修繕・ ベランダ・防水工事は自社管理の施工で低価格・高品質な施工を行なっております。大規模修繕工事や関連する情報に関して分かりやすく解説しています。