ウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水の違いとは? 安く済ませる裏技”トップコート塗替え”についてもご紹介!

屋上やベランダなどに行われている防水塗装。防水塗装を行うにはそれなりのコストが必要で、毎回のメンテナンスが気になる方も多いのではないでしょうか。

防水工事の施工方法には、ウレタン防水、FPR防水、シート防水、アスファルト防水と主に4つに分けられ、それぞれ用いられる用途が全く異なります。

本記事ではそんな防水工事を目的別に正しく選ぶための知識をご紹介します。また、安く済ませる裏技“トップコート塗替え”についてもご紹介します。

この記事がオススメな方

・マンションの大規模修繕を控えている方
・修繕委員会や管理組合の関係者
・防水工事を考えている方

防水工事の種類

防水工事とは、建物の屋上やベランダ・バルコニー下地を保護する工事のことを指します。建物の状態によっても様々ですが、一般的に「ウレタン防水・シート防水・FRP防水」の3種類の施工方法のいずれかが採用されています。

防水材料メリットデメリット耐候年数
ウレタン防水高耐久、柔軟性がある施工が難しい10年以上
FRP防水高耐久、耐候性がある施工が難しい、高価格15年以上
シート防水施工が簡単、低コスト耐久性が低い3年 – 5年

ウレタン防水、FRP防水は防水効果のある塗料を下地の上から塗布。その上から紫外線による劣化を防ぐトップコートを塗布します。シート防水に比べ耐候年数も10年以上と長いことから、多くの建物で採用されています。

ウレタン防水の仕組み

ウレタン防水

ウレタン防水とは、弾力性のある液体状のウレタン樹脂の塗料を重ねて塗る工法。液体なので平面だけでなく、複雑な形のベランダでも施工しやすいのがメリットです。大きな面積でもつなぎ目ができず、マンションのベランダから屋上防水のような広い場所まで、いろんな場所で採用されます。

ウレタン防水 事例

ウレタン防水には「通気工法・密着工法」の2種類があります。

工法適した場所工事内容
通気工法・広い場所・既存下地がコンクリート例)マンションの屋上既存下地の上に通気シートを敷いて湿気を逃し、その上から下地・ウレタン・トップコートを塗装する。
密着工法・狭い場所・既存下地がウレタン防水例)マンションのベランダ既存の防水の上から直接下地・ウレタン・トップコートを塗装する。
屋上防水 通気工法 脱気筒

コンクリートに直接ウレタンを塗布すると、硬化後にコンクリート層から出てきた湿気で膨れたり亀裂が入ったりする恐れがあります。そのため通気シートや脱気筒で湿気を逃してから、ウレタンやトップコートを塗布するのが「通気工法」です。

マンションのベランダのような狭い場所では、屋上のような広い場所に比べると、膨れのリスクも少なめ。通気シートなしでウレタンを塗布する「密着工法」がよく使われます。

サービスについて

FRP防水

FRPとはガラス繊維でできたプラスチック。バスタブや船舶などにも使われている、耐水性・軽さ・強度にすぐれた素材です。

FRP ガラス繊維
FRP防水 事例

FRP防水ではFRPのシートを敷いて、上からポリエステル樹脂を塗って硬めます。最後に紫外線などから守るトップコートを塗って乾燥したら完成です。

FRP防水は1〜2日と短期間で工事がすみ、仕上がりも硬くて丈夫です。ただし費用はやや高めなので「メンテナンス周期を伸ばしたい」「人や車の行き来が多い」という場合によく使われます。

シート防水

シート防水 事例

ゴムや塩化ビニルのシートを、接着剤などで貼り付ける工法です。ウレタンのように乾燥時間がいらないので、マンションの大規模修繕で「工期やコストを削減したい!」という場合に向いています。

ゴムシートと塩ビシートでは、次のような違いがあります。

ゴムシート低コスト、軽量・伸縮性があるのでどんな建物でも施工しやすい
塩ビシート紫外線や雨に強く、耐久性が高い・工事の難易度が高く、施工できる業者が少ない

昔はゴムシート防水が主流でしたが、つなぎ目が剥がれやすいため取り扱う業者が減ってきました。一方、塩ビシートは接着剤を使うほか、機械で固定する方法もあります。長持ちするので最近は塩ビシートが中心です。

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アスファルト防水

アスファルト防水 事例

ウレタン防水、FRP防水、シート防水の他にアスファルト防水というものも存在します。耐候年数が15年以上あり価格もFRP防水の半分程度と比較的安価なのが特徴です。ですが、一般的に建物修繕時ではなく新築時にのみ使用される施工方法になります。

何故アスファルト防水を修繕時に使わないのか

耐候年数が高く施工費用も抑えられるアスファルト防水ですが、修繕時に使われないのには以下の理由があります。

1.柔軟性

  • ウレタン防水: ウレタンは柔軟性が高く、既存の防水層や下地に対して適応しやすいため、補修や修繕が比較的簡単です。細かいひび割れや凹凸にも対応できます。
  • アスファルト防水: アスファルトは硬化する性質があり、柔軟性に欠けるため、既存の下地が不均一な場合や複雑な形状の部分に対しての施工が難しくなります。

2.施工プロセス

  • ウレタン防水: 液体状のウレタンをローラーやスプレーで塗布し、層を重ねていく方法が一般的です。これにより、既存の防水層の上から直接施工が可能で、撤去作業が少なく済みます。
  • アスファルト防水: アスファルト防水はシートや熱加工を必要とすることが多く、大規模な設備や専門的な技術が必要です。既存のアスファルト層を取り除く必要がある場合もあり、作業が複雑になります。

3.作業の柔軟性

  • ウレタン防水: ウレタンは複雑な形状や狭い場所にも適応しやすいため、建物の修繕時に柔軟に対応できます。
  • アスファルト防水: アスファルトは特定の形状や条件下での施工が難しく、柔軟に対応するのが難しい場合があります。

これらの理由から、アスファルト防水は一般的に修繕時に用いられない施工方法となっております。

定期的なトップコートの塗り替えで費用を抑える

紫外線が強い画像

耐久性が高く人気のあるウレタン防水には“紫外線” という弱点があります。ですが定期的なトップコート塗替え工事を行うだけで、費用を大幅に節約することも出来ます。

トップコートの役目とは

トップコートがウレタン防水層を紫外線から守り、ぐんと長持ちさせます。またツヤや色の均一性など見た目の美しさを保ち、はがれやひび割れを防ぐ効果も。屋上付近の部屋の温度が高くてお困りの場合は、遮熱タイプのトップコートを使用するのもおすすめです。

ウレタン防水のトップコートの種類

防水工事をしている様子

ウレタン防水に用いられるトップコートには、主に「①アクリルウレタン系、②フッ素系」の2種類があります。

①アクリルウレタン系

一般的に用いられるのが、アクリルウレタン系のトップコートです。耐用年数は3~5年と短めですが、コストは抑えられます。

②フッ素系

フッ素系のトップコートはアクリルウレタン系よりも強力で、防水層をしっかりと守ってくれるのが特徴。コストは高くなりますが、耐用年数が10年ほどと言われており、メンテナンスの期間が長いのが大きなメリットです。

ウレタン防水トップコートの劣化現象と塗り替え時期

作業員

ウレタン防水のトップコートは、どのタイミングで塗り替えるべきなのでしょうか。セルフチェックできる劣化現象と、塗り替え時期の目安をお伝えします。

こんな症状があったら劣化しているかも!

チョーク、チョーキング現象
  • 見て分かる症状トップコートのはがれ、浮き、膨れトップコートのすり減り苔や雑草が生えている
  • 触って分かる症状チョーキング現象

目視した際にトップコートのはがれや浮き、膨れがあれば劣化しています。

ほかにも人が歩く場所などがすり減って色が黒くなる、色があせるなどの現象も要注意です。また苔や雑草が生えているのも劣化現象のひとつ。

雑草が根を張っていると防水層を破壊している恐れもあるので、水が染み込みやすい状況になっているかもしれません。

ほかにも触って分かる劣化現象もあります。チョーキング現象という、表面を触った際に指に白いものがついてくる現象です。古くなったトップコートが粉になり起こるので、塗り直しのサインと捉えましょう。

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塗り替え時期の目安

塗り替え時期はトップコートの種類によって異なりますが、一般的には3~5年を目安にするといいでしょう。ただし必ずしも3~5年メンテナンスをしなくていいわけではありません。先ほど紹介した劣化現象が見られたら、一度業者にメンテナンスが必要か相談すると安心です。

まとめ

営業マン

防水工事の種類にはそれぞれ、建物の規模感や状況によって様々な種類があります。何か不明な点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

弊社トゥインクルワールドでは小規模や中規模~大規模な建物まで対応しており、数多くの施工実績があります。「そろそろメンテナンスが必要かな?」とお考えの方は、ぜひトゥインクルワールドへご相談ください。

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監修者

トゥインクルワールドはマンションの大規模修繕・ ベランダ・防水工事は自社管理の施工で低価格・高品質な施工を行なっております。大規模修繕工事や関連する情報に関して分かりやすく解説しています。