大阪のマンション・大規模修繕・ベランダ防水工事
トゥインクルブログ
更新日: 2024.10.10 公開日:2024.09.12
マンションの大規模修繕には、数百万〜数千万円というまとまった費用がかかります。
修繕費として一括経費計上するのか、それとも資本的支出として毎年減価償却できるのか、オーナー様のなかには、経費としての取り扱いについて不安に感じている方も多いですよね。
今回は大規模修繕の税務処理の方法と、減価償却の計算方法について詳しく解説します。
マンションの修繕工事を考えているオーナー様はぜひ参考にしてください。
目次
そもそも減価償却とは、長期間にわたって使う、高額な資産の購入代金を経費計上する方法です。耐用年数に応じて1年あたりの金額に分割して経費として処理します。
減価償却されるものとして代表的なのが建物や機械などです。毎年、価値が少しずつ減っていくので、その価値が減った分を会計上の費用として計上します。
結論から言うと、マンションの大規模修繕の減価償却は可能です。ただし修繕のすべてが減価償却の対象となるわけではなく、修繕の内容が「資本的支出」に該当する場合のみなので注意しましょう。
では、マンションの大規模修繕費の「資本的支出」とは一体どういったものなのか。次の章で詳しく見ていきましょう。
マンションの大規模修繕にかかる費用は、大きく「修繕費」と「資本的支出」の2種類に分けられます。それぞれの概要を詳しく解説しましょう。
修繕費とは、通常の維持管理や原状回復を目的とした工事にかかる費用のこと。
分かりやすく言うと「マイナスをゼロに近づける」工事であり、修繕費は経費として施工した年に一括で計上できます。
以下は、修繕費に分類される大規模修繕の一例です。
そして資本的支出とは、耐用年数の延長やマンションの資産価値の向上を目的とした工事に支払った費用です。
分かりやすく言うと「ゼロをプラスにする」工事であり、マンションの価値が高まるため経費でなく資産として計上しなければなりません。
以下のような大規模修繕は、資本的支出に分類されます。
そしてマンションの大規模修繕がこの「資本的支出」に当てはまる場合は、減価償却の対象。耐用年数で分割して経費計上します。
基本的に大規模修繕は、上記の内容で「修繕費」か「資本的支出」かを判断します。
しかし、なかには行った大規模修繕がどちらに当たるのか判断がつかない場合もあるかもしれません。
そのような場合は、次のフローチャートにしたがって判断してください。
出典:国税庁ホームページ
工事を3年ごとに行う場合や工事金額が20万円未満の場合は、基本的に「修繕費」として計上します。
工事金額が60万円以上の場合は「資本的支出」になるので、大規模修繕では多くの工事が「資本的支出」に該当するでしょう。
続いては、マンション大規模修繕における減価償却の計算方法を解説しましょう。
減価償却の計算方法は、「定額法」と「定率法」の2種類。
マンションなどの建物の場合に定められているのは「定額法」であり、計算式は以下の通りです。
取得価額×定額法償却率=減価償却費 |
「取得価額」とは、大規模修繕の工事にかかった費用のこと。
そして「定額法償却率」は、マンションの耐用年数ごとに定められています。
マンションの耐用年数は構造によって異なります。
下表を参考に、管理しているマンションの耐用年数を調べてみてください。
マンションの構造 | 耐用年数(住宅用) |
木骨モルタル造 | 20年 |
木造・合成樹脂造 | 22年 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」
マンションの耐用年数が分かったら、国税庁が公開している「減価償却資産の償却率表」を参考に定額法償却率を割り出しましょう。
例えばマンションの構造が鉄骨鉄筋コンクリート造の場合、耐用年数は47年、定額法償却率は0.022です。
このマンションで1000万円の大規模修繕を行った場合、1年あたりの減価償却費は「1000万円×0.022=22万円」となります。
「修繕費」か「資本的支出」かで税務処理が異なるマンションの大規模修繕。
数百万〜数千万円かかることも珍しくないので、適切な処理を行って節税効果を得ましょう。
工事の内容が資本的支出に当たる場合は「減価償却」を行い、耐用年数分、各年度の経費としての計上が可能です。
定期的な大規模修繕でマンションの価値を高めながら、少しでも資金繰りや税金面でも有利になるように進めましょう。
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