バリューアップの大規模修繕<前編> | 建物保全はなぜ必要?

バリューアップの大規模修繕<前編> | 建物保全はなぜ必要?

マンションやアパート等の大規模改修の役目は、経年劣化で傷んでしまった部分を補修すること。

外観の美観を向上させることで、建物そのものの資産価値はもちろん、マンションの入居率を高める効果も期待できます。

最近は工場や倉庫でも、デザインを大きく変えるための大規模改修を図るケースが多いです。

本記事ではバリューアップのための大規模改修や建物保全の必要性について、外装リフォームの専門企業、トゥインクルワールド株式会社が解説します。

賃貸物件をはじめ、所有する建物の価値をさらに高めたいオーナー様と管理会社の方は、ぜひ参考にしてください。

建物保全を定期的に実施する必要とメリット

建物保全を定期的に実施する必要とメリット

建物保全とは、建物の状態を管理・保護し、常に安全な状態に保つこと。

なぜ建物保全が必要なのか、3つの理由を解説します。

建物保全を定期的に実施する必要とメリット1:事故を防ぐ

建物保全の最も大きな目的は、外装の剥落や躯体のひび割れなどによる事故を防ぐことです。

実際に起きた例として、アパートの木製の踊り場が腐食し、階段が崩落。

階段を上っていた女性が落下し、5日後に死亡するという痛ましい事故がありました。

事故は経年劣化だけでなく、定期的に点検していなかったり、修繕計画の未作成・未実施など多くの原因で発生します。

所有する不動産で事故の発生を防ぐためにも、適切な建物保全を心がけましょう。

建物保全を定期的に実施する必要とメリット2:外観の向上による資産価値向上

外壁の塗り直しなどで外観をよくすれば、建物の印象は明るくなります。

特に賃貸物件は、外観とともにメールボックスの交換や廊下・階段の舗装などを修繕することで、生活環境は格段に向上します。

印象の良さは物件の人気度に直結するため、入居率の改善も期待できるでしょう。

建物保全を定期的に実施する必要とメリット3:資産価値低減の抑制

定期点検とメンテナンスを行った物件は、些細な不具合でもすぐに気づいて修理するため、建物も長持ちしやすいです。

たとえば雨樋の経年劣化に気づかず放置すると、あふれた雨水が壁の内部に侵入。

深刻な雨漏りの原因にもなりますが、定期的に点検していれば、雨漏りは未然に防げます。

建物の経年劣化は避けられないため、資産価値を高め維持するためには、定期的な点検と補修が欠かせません。適切な建物保全で品質を保ち、資産価値を高めましょう。

実際に事故を調査・修繕した事例

建物保全がどのような事故を防ぐのか、実際にトゥインクルワールドが事故の調査・修繕を担当した事例を紹介します。

こちらは大阪府泉南郡の宿泊施設で、外壁に使っていたタイルの一部が剥落した事例です。

剥落したタイルの大きさは約11cm×11cmで、およそ7mの高さから落下しました。

タイルの補修にかかった費用は、およそ100万円。

幸い一大事にはならずに済みましたが、万が一通行人に怪我をさせてしまうと賠償責任も発生。経営にも深刻なダメージを与えます。

事故を未然に防ぐためにも、適切な建物保全が必要だということがわかります。

工場・倉庫でも進む建物のバリューアップ

建物をバリューアップさせる大規模補修は、工場や倉庫でもうれしい効果を発揮します。

こちらは兵庫県神戸市の鉄骨造の工場を大規模修繕したときの、工事前後の比較写真です。

使い込まれた工場の外壁を爽やかな水色に塗り直し、清潔感が感じられる外観になりました。職場を大切にする従業員の意識を高め、工場にとって不可欠な整理整頓の徹底にもつながります。また印象が改善されたことにより取り引きが活発になれば、建物のバリューアップの効果も、さらに実感できるでしょう。

「事後保全」と「予防保全」の違い

建物保全には、「事後保全」と「予防保全」の2つがあります。

それぞれの違いを見ていきましょう。

事後保全とは

事後保全とは、何らかの事故や不具合が発生してから、緊急の対応として実施する修繕工事です。

先ほどの宿泊施設の外壁タイルが剥落した事例も、事後保全に含まれます。

事後保全の多くは突発的に発生し、修繕にもまとまった費用が必要です。

さらに復旧にも時間がかかるため、店舗施設の場合は修繕費用だけでなく、売上への影響も懸念されます。

また、マンションなどの賃貸物件なら入居者が安全性に不安を感じ、複数の世帯が退去してしまうおそれもあるでしょう。

このように事後保全は非常にリスクが高く、賃貸物件をはじめとする不動産運用において、絶対に避けるべき事態です。

<事後保全のデメリット>

復旧に時間がかかる多額の修繕費用が突発的に発生する

予防保全とは

予防保全とは、不具合が発生する前に点検・補修をする方法です。

大きなメリットは、突発的な事故を予防できること。

また保全計画をもとに予算を立てて、日頃から積み立てなどすることで、負担の少ない方法でリスクに備えられます。

建物の資産価値も維持できるので、リスクの少ない不動産運用には欠かせない保全方法です。

<予防保全のメリット>

突発的な事故を減らせる保全計画をもとに予算をたてられる

コストで比較する予防保全と事後保全

外壁タイルの剥落やひび割れは突然発生するのではなく、日々のダメージが少しずつ蓄積した結果あらわれます。

経年劣化の影響は目で見えている部分だけでなく、建物の内部にまで影響しているケースも多いです。

そのため経年劣化が進むほど補修範囲も広くなり、工事費用も高額になります。

参考:国土交通省「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会(第3回)」

国土交通省によると、外壁タイル・躯体(外壁)・屋上防水のいずれも、経年劣化の度合いが重度になると工事費は軽度の場合と比べて数倍かかります。

予防保全を意識すれば、劣化が重度まで進む前に対処できるので、結果的に支出を大きく抑えられるのです。

定期点検が高める建物の保全効果

定期点検が高める建物の保全効果

建物の保全効果を高めるには、何よりも定期点検が大切。

定期的に点検し必要に応じてメンテナンスをすれば、建物の資産価値を保ち、計画的に修繕費用を準備できます。

一方で建物の状態は目視で測れないものも多いため、専門知識をもった技術者による点検が欠かせません。

トゥインクルワールド株式会社には、一級建築施工管理技士をはじめ、業界でも珍しい雨漏り診断士・外壁診断士が多数在籍。

各分野からの徹底した診断調査をもとに、建物保全に努めています。

ここまでの前編では、保全効果の重要性について解説しました。

具体的な日常点検のポイントと、これまでにトゥインクルワールド株式会社が手掛けた建物のバリューアップ工事の施工事例については、後編で詳しくご紹介します。

資料請求