【不動産経営】テナント入居率低下の解決策。ビルの外観修繕で機会損失を防ぐ!

「うちのビル、最近テナントの入りが悪くなった気がする…」「築年数も経ってきたし、このままじゃ価値が下がってしまうのでは?」

そう感じているオーナーの多くが見落としているのが、「建物そのものの状態」です。利回りや立地を気にする前に、まず建物が正しく維持されているかどうか——そこが、すべての起点になります。

この記事では、建物修繕が不動産経営に与える影響について解説し、「何を・いつ・どう直すか」の判断軸をお伝えします。

この記事がオススメな方

・ビル・マンションなどの建物を管理、所有されている方
・建物の老朽化が気になる方
・空室対策で悩んでいる方

外観が大切な理由と、古い見た目がもたらすマイナス効果

なぜ「外観」が経営に響くのか

不動産の収益は、テナントが入ってはじめて生まれます。そのテナントが「入りたい」と思う物件かどうかを決める第一印象が、外観です。

内見の前にストリートビューや現地外観を確認するテナントは多く、外壁のひび割れ・塗装の剥げ・共用部の汚れが目立つ物件は、問い合わせの段階で候補から外されることがあります。オーナーには見えない機会損失です。

さらに、既存テナントにも影響します。「取引先を招いたとき建物が恥ずかしい」「共用部が汚くて従業員に申し訳ない」——そういった不満は、退去の引き金になります。一度退去が出ると、次のテナントを呼ぶために賃料を下げざるを得なくなる。その悪循環が、収益性を静かに、しかし確実に削っていきます。

質の高いテナントほど、物件の管理状態に敏感です。安定した入居率を保ちたいなら、まず「選ばれる建物」であり続けることが前提になります。

建物は「放置」すると加速度的に劣化する

建物の劣化には、見えやすいものと見えにくいものがあります。

外壁の汚れや塗装の剥げは目に入りますが、防水層の劣化・シーリング材のひび割れ・給排水管の腐食は、専門家が診なければ気づけません。そして厄介なのは、見えない劣化ほど進行が速いという点です。

たとえば防水層。屋上やバルコニーの防水は、常に紫外線と雨風にさらされており、表面に異常が出たころにはすでに内部まで傷んでいることがあります。雨漏りが発生してから修繕しようとすると、防水工事だけでなく、天井・壁・場合によっては構造材の補修まで必要になり、費用は数倍に膨らみます。

外壁も同様です。小さなひび割れを放置すると、雨水の侵入→内部の腐食→外壁材の剥落というサイクルが進みます。「まだ大丈夫」と思っている間に、修繕の難易度とコストは上がり続けます。

「割れ窓理論」が教えてくれること

割れ窓理論とは、1枚の割れた窓を放置すると、やがて建物全体が荒廃していくという、社会心理学の知見です。荒れた環境は「誰も気にしていない」というサインとして伝わり、さらなる荒廃を招き、周辺地域の治安悪化に繋がる恐れがあります。

外観の小さな劣化を放置することで、テナントの不満が募り、入居率が下がり、賃料を下げざるを得なくなる。建物の内部では見えない劣化が進み、気づいたころには大規模な修繕が必要な状態になっている。負の連鎖は、最初の「放置」から始まります。

割れ窓理論の活用

割れ窓理論は様々な場所で取り入れられており、東京ディズニーランド・シーでも活かされております。清掃キャストによる徹底的な清掃に加え、約10m感覚でゴミ箱が設置されており、パーク内にゴミが一つも落ちていない状態が保たれています。「ここでゴミをポイ捨てしてはいけない」という心理が働くことにより、パーク内が綺麗に保たれているといわれています。

資産価値の低下と周辺地域への波及効果

景観の悪化は、物件自体の評価を著しく低下させます。不動産の資産価値は、立地や広さだけでなく、建物の維持管理状態や美観も重要な評価項目です。外壁の損傷や設備の老朽化が放置された物件は、不動産鑑定士による評価が下がり、将来の売却時にも希望価格での取引が困難になるでしょう。

また、特定の物件の景観悪化は、その周辺地域のイメージにも悪影響を及ぼす可能性があります。特に、その物件が地域内で目立つ存在である場合、周辺の不動産価値全体が低く見られる原因となりかねません。これは、地域全体の魅力を損ない、新たな投資や住民の流入を阻害する要因にもなり得ます。

管理不全空き家による治安悪化、二次被害

一般的には「1年以上住んでいない、もしくは使われていない」建物を空き家と定義されますが、2023年の空き家対策特別措置法改正により、適切な管理が行われていない建物のことを「管理不全空き家」と指すこととなりました。この管理不全空き家が倒壊するなど事件事故が発生すると、周辺地域への悪影響も広がるでしょう。

日本経済新聞:放置空き家、周辺不動産の価値下落 損失3.9兆円の試算

NPO法人空き家・空地管理センター:空き店舗も空き家になるの?

オーナーの評判・信用へのダメージ

管理が行き届いていない物件は、単に見た目が悪いだけでなく、オーナーの経営姿勢や信頼性に対する疑念を生じさせます。テナントからは「修繕を頼んでも対応が遅い」「管理費を払っているのに見合わない」といった不満が募り、オーナーへの信頼が損なわれる原因となります。

また、金融機関や将来の買い手にとっても、物件の管理状態はオーナーの経営手腕を測る重要な指標です。適切なメンテナンスが行われていない物件は、将来的に大きな修繕費用が発生するリスクを抱えていると見なされ、融資の審査や物件購入の評価において不利に働く可能性があります。オーナーの評判や信用が低下することは、長期的な不動産経営において大きなダメージとなるのです。

修繕の基本:何を・いつ・どう直すか

外壁メンテナンス

外壁は、建物の第一印象を決める最も重要な部位です。汚れが目立つ段階では高圧洗浄が有効で、塗り替えの前に試す価値があります。苔・カビ・排気ガスの汚れであれば、洗浄だけで見違えるほど改善することもあります。

ひび割れやシーリング材の劣化は、早期発見・早期補修が鉄則です。放置するほど補修範囲が広がり、防水性能も低下します。全体的な塗り替えの目安は約10〜15年ですが、使用塗料の種類(アクリル・シリコン・フッ素)によって耐用年数は大きく異なります。業者選定の際は、塗料のグレードと保証年数を必ず確認してください。

防水工事

屋上・バルコニー・外壁の接合部の防水層は、建物に雨水を入れないための最終防衛ラインです。劣化を見逃すと、建物内部が広範囲にわたって傷み、大規模な補修が必要になります。工法によって耐用年数が異なり(ウレタン:約10〜15年、シート防水:約15〜20年、FRP:約10〜20年が目安)、劣化が進む前に更新することが基本です。

重要なのは「雨漏りが起きてから直す」ではなく、定期的な点検で状態を把握し、予防的に更新するという考え方が大切です。

新建材の活用

修繕のタイミングで耐久性の高い建材を選ぶことは、長期的なメンテナンス負担を減らす有効な手段です。セルフクリーニング機能付きの外壁材や遮熱塗料は、美観の維持と機能向上を同時に実現します。デザイン性の高い建材を選ぶことで、築年数を感じさせない外観に刷新することも可能です。初期費用は上がりますが、次回の修繕サイクルが延び、トータルコストを抑えることができます。

また耐久性が高い新建材を用いることで、建物の状態を直す「修繕」から、建物の資産価値を向上させる「資本的支出」とすることができ、減価償却の対象になる場合があります。

定期点検が修繕の質を決める

ロープ診断 ロープ調査 ロープ工事

修繕で最も大切なのは、工事そのものより「いつ、何が必要かを正確に把握すること」です。

建物の劣化は均一に進みません。立地・向き・建材の種類・過去の施工品質によって、同じ築年数でも状態は大きく異なります。修繕周期の目安はあくまで参考であり、実際の建物の状態に基づいた判断が不可欠です。

専門家による定期診断を受けることで、以下が可能になります。

  • 劣化箇所の早期発見と、小規模修繕での対処
  • 修繕の優先順位の明確化
  • 不要な工事の回避と、予算の適正配分

各部位の修繕周期(外壁塗装:10〜15年、防水:工法による、給排水管:20〜30年)を一覧化し、長期的な計画と積立を進めることで、突発的な高額出費を防ぎ、修繕の質も安定します。修繕履歴の記録は、将来の売却時に「管理されている物件」の証拠にもなります。

大規模修繕工事

また、部位ごとの修繕を個別に管理するのが煩雑に感じる場合は、12〜15年を目安に大規模修繕をまとめて行うという考え方もあります。外壁・防水・設備など複数の部位を一度に見直すことで、足場の設置など工事コストを共有でき、トータルの費用を抑えやすくなります。マンションや大型ビルで一般的に採用されているサイクルで、計画が立てやすいというメリットもあります。

業者を選ぶ際は、金額だけでなく、使用材料のグレード・施工範囲・工期・保証期間を必ず確認してください。複数業者から見積もりを取り、「何がどう違うか」を見ることが重要です。

修繕工事で建物の資産価値が向上した実例

弊社が実際に手がけた事例をご紹介します。ここまで「部分修繕・段階的修繕」の考え方やメリット・デメリット、そして有効なケースについて解説してきましたが、実際の工事がどのように行われ、どのような効果が得られるのか、具体的な事例を通して見ていきましょう。

事例1:塗装工事で建物の資産価値が向上!物件売却に成功

売却を検討中だった4階建てマンションの事例です。デザイン性に富んだ建物でしたが、全体的に雨垂れなどによって汚れが目立っている状態でした。オーナー様は高値で売れるように修繕工事を行って綺麗にしたいとご希望されておりました。

高圧洗浄によって汚れを落とし、塗装工事を実施。既存の藍色の外壁ではなく、白を基調とした仕上がりになりました。その結果、施工から1ヶ月以内での売却に成功しました。

事例2:部分的な修繕でコストを抑え、内見問い合わせ急増

積立金不足に悩む築45年の物件です。築45年とかなり古く、経年劣化による退色、防水層の劣化などが見受けられました。空室が目立ち始めている影響で「大規模修繕を実施するお金の余裕が無い」とお悩みを持たれておりました。

雨漏りリスクのある箇所の補修と防水層の修繕、そして外壁塗装を優先して実施しました。ライフラインに関わる外壁劣化部分の補修と防水層の修繕工事を実施し、入居率を高めるべく外壁塗装を行いました。その結果、内見依頼が急増し、資産価値の向上につながりました。

他にも様々な事例があり、こちらの記事にて詳しくご紹介させていただいております。是非あわせてご覧ください。

まとめ

建物の外観は、収益の入口です。小さな劣化の放置が入居率を下げ、負の連鎖を生み、建物内部の深刻な損傷へとつながっていきます。逆に、手入れされた建物は質の高いテナントを引き寄せ、テナントのモラルを高め、安定した収益の基盤になります。

大切なのは、問題が起きてから動くのではなく、定期的に状態を把握し、適切なタイミングで手を打ち続けることです。まず現状を知ることから始めてください。専門業者への診断相談は、多くの場合無料で対応しています。「うちは大丈夫」ではなく、「一度確認してみる」——その一歩が、建物の寿命と収益性を大きく変えます。


更新日: 2026.02.25  公開日:2026.02.25

監修者

トゥインクルワールドはマンションの大規模修繕・ ベランダ・防水工事は自社管理の施工で低価格・高品質な施工を行なっております。大規模修繕工事や関連する情報に関して分かりやすく解説しています。

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